北浜レトロで本格英国式アフタヌーンティーを。

大阪は中之島にある、純英国式ティールーム「北浜レトロ」に行ってきました。
ロリィタ服で。

……ええ、わかっています。
ロリィタと呼ぶには、若干、邪道というか、シックですよね。わかっています。
わたしも、当初は、3〜4年前に購入したInnocent Worldのワンピースなんか、着ちゃおっかな〜と思っていたのです。しかし、それはやはり、「3〜4年前のわたしが似合っていた服」。今のわたしが着てしまうと、どうしても、違和感が……。

ヒトは、常に変化し、成長し、老いてゆく生きもの。半年前の自分は、現在の自分とはまったく性質の違う他者です。一年ぶりに会った友人を見て、「あぁ、この人は、もうわたしの知っているあの人ではないのだ」と感じた経験なんて、一度や二度ではないでしょう。それは自分自身にも当てはまるのです。

そして、だからこそ、「変わることのない何か」に対して、人は憧憬するのかもしれません。ロリィタというファッションもまた、根底にその憧憬を抱き続けるお洋服です。「少女」という、変わることのない絶対的存在への憧憬。少女とは、それ単体で完成された存在であり、「大人の女のミニチュア版」でも、「子どもから大人の女性への成長過程」でもないのです。たとえるならば、お人形、あるいは少女の姿をしたロボット。

少女の世界では、成長とは、もっともおぞましい類のものであると定義できます。成長とは、現在の自分が大事に持っているものを捨て去り、新しいものを(無理やりにでも)受け入れていくことで、新しいものに適応するように自分を作り替えていく作業です。内なる自分自身(の意思)ではなく、外からやってきた他者(の意思)によって、他者に合うように、自身を作り替え(られ)てしまう。それはまるっきり、セックスのメタファーとして成立してしまうわけですが、少女という概念において、これほど下劣で、低俗で、軽蔑に価する、おぞましいことはありません。

少女への憧憬とは、すなわち、成長を否定することであるとも言えます。しかし、現実問題、我々は常に変化し成長していく生きものです。どうしても、矛盾が生じます。この矛盾をいかにして乗り越えるか。抗うことのできない身体的な成長という病を抱えたまま、決して変わることのない少女という魂を、いかにして持ち続けるか。この問題について考え続けることが、少女でありつづけるということであり、この問題に挑むためのひとつの方法論が、ロリィタファッションなのかもしれません。

そう考えると、「三年前のお洋服は、今の自分には似合わない、着られない」と感じるわたしは、身体的な成長という問題を受け入れてしまった存在であり、もはや「少女」ではなく、ロリィタ失格であるといえます。……うん、まぁ、当時からわたしは、「自分は少女でもロリィタでもない、ただの小娘だ」と言い続けてきたので、覚悟はしておりましたけれども、こうして腹の底から実感してしまうと、さすがに、ちょっぴり哀しいものがありますね……。

というわけなので、今回は、生き様としてのロリィタではなく、ファッションとしてロリィタを着る、という考え方で、このお洋服を着てティールームに行って参りました。
というお洋服についての解説だけで、すでに1,200字超! どんだけ!
ちなみに、着用したお洋服のブランドは、以下のとおりです。

  • 薔薇柄スカート:Mary Magdalene
  • 黒ブラウス:Innocent World
  • 燕尾ジャケット:UNIQLO +J
  • 髪飾り:Innocent World
  • パニエ:ALGONQUINS

ジャケットがまさかのユニクロ! パニエもまさかのALGONQUINS! それも正しくはパニエというよりはボリュームのあるチュールスカート! ほんと申し訳ない! でも、どうか、赦してください。だってほら、わたし、ファッション・パンクならぬ、ファッション・ロリィタだから……。

さて、本題に戻ります。北浜レトロです。

国の登録有形文化財に指定されている「北浜レトロビルヂング」(この古めかしい名称からして素敵)をまるごと使った二階建てのティールーム、それが北浜レトロなのです。

ケーキや紅茶やスコーンをお持ち帰りで買える一階の販売スペースを抜けると、ミントを思わせる明るい青緑色の手すりのついた階段が。そこを登った二階が、ティールームになっています。階段の手すりと同じミント色に縁どられた大きな窓の向こうには、中之島薔薇園。アンティークの机の上には、落ち着いた花柄のテーブルクロス。パッチワーク風のティーマットに、Wedgwoodのティーカップ。ブリティッシュ・トラッドの趣き溢れる、ロマンチックなティールームです。

今回の我々のお目当ては、アフタヌーンティー(税込2,100円)。
三段重ねのティースタンドに盛られたお菓子&軽食と、ポットでサーブされる本格英国式紅茶のセットです。

ケーキは、生ケーキ、タルト、チーズケーキなど、20種類近くある中から、好みのものを一つ選びます。
こちらは↓、おそらくボリュームナンバーワンの「山盛りベリー」。

こちらは↓、今回、わたしがチョイスした、「桃のタルト」。

スコーンも、プレーン、くるみ、抹茶、チョコチップ、生姜、シナモン&シュガーなどなど、10種類近くある中から、好みのものを二つ選びます。

生姜のスコーンが、とっても、とってもおいしかった!
スコーンは、生クリーム、クリームチーズ、2種類のジャムなどを添えて給仕されます。

そして、軽食は、ひとくちサイズのサンドウィッチ。

正式な英国式なので、ハムとキュウリのサンドウィッチです。マヨネーズと粒マスタードのほどよいしょっぱさが、甘いケーキ&スコーンの口直しによく合います。

紅茶も、何十種類という中から、好みのものを一つチョイス。

わたしは、「ストロベリーフィールズ」という名前の、苺の香りの紅茶を選びました。
ちゃんとポットでサーブされます。差し湯は何度でも、無料でOK。

トラディショナルな英国ティールーム。
そこでいただく、本格的な英国式アフタヌーンティー。
なんという優雅で気品ある光景でしょう。
もはや少女ではないと自覚していつつも、どうしてもロリィタファッションで訪れるしかなかった理由を、おわかりいただけたでしょうか。

それにしても、このアフタヌーンティー。おなかぺこぺこで行っても食べきれないくらいに、ボリュームたっぷり! けれど、どれもこれもとっても美味しいので、ぜんぶ食べたい! でもおなかいっぱい! でも! ああ! どうすれば!

……というわけで、おしゃべりに花が咲いたのも手伝って、3時間もかけて、ゆっくりとティータイムを楽しんだわたくしたちでした。
アフタヌーンティーに3時間……まさしく英国貴族のような優雅さ。
豊かな時間を過ごすことができました。
英国式アフタヌーンティーを体験したい方は、是非、北浜レトロへ。